本読むうさぎ

生きるために、考える

アート

花が描けない

花を描きたいと思い、絵筆をとった。 パレットに絵の具を出し、白い紙を広げ、筆先に赤を滲ませ、そこで、手が止まる。 何を描けばいいのかわからない。 花を描きたいのだ。では、どんな花?色は?形は?大きさは? 頭にイメージはある。それを紙に写すだけ…

無人の美術館の幸福

町の小さな美術館に立ち寄った。 花がテーマの企画展が開かれており、地元にゆかりのある画家の作品が展示されていた。 有名であるかどうかと作品が優れているかどうかは必ずしも一致するわけではないとわかっていても、名のある画家を前にすると、どうして…

『草の花』から死との向き合い方を考える

ランキング参加中読書 『草の花』福永武彦 物語の内容に触れます。 作品説明 研ぎ澄まされた理知ゆえに、青春の途上でめぐりあった藤木忍との純粋な愛に破れ、藤木の妹千枝子との恋にも挫折した汐見茂思。彼は、そのはかなく崩れ易い青春の墓標を、二冊のノ…

うさぎの本棚 『ゴッホはなぜ星月夜のうねる糸杉をえがいたのか』

ランキング参加中読書 4万年前の洞窟画から現代アートにいたるまでのアートの歴史を綴った一冊。 でかくて重い。内容も雄大。 ショートストーリーで描かれており、ときにはアーティストの立場から、またあるときはそれを支える人の立場から見ることでアート…

うさぎの本棚 『詩を考える』 谷川俊太郎

詩人、谷川俊太郎が詩について論じていて、なるほどな~と思うことがたくさんありました。 詩が芸術である限り、詩を書くことは芸に他ならない。(中略)われわれが人々と結びつく点では、われわれは常に詩人という芸人でなければならない 詩人は芸術家とい…

うさぎの本棚 ポケットに入れたい詩集3選

ポケットに入れて持ち運べる大きさのおすすめ詩集をご紹介します。 表紙がかわいくておしゃれなので、インテリアとして飾るのもいいかもしれません。 空をかついで 石垣りん 表題作「空をかついで」のほか、「表札」や「崖」など、36篇の詩を収めた一冊。 木…

生きることを芸術に

むかしから「芸術家」を尊敬している。 音楽や絵画、文章を問わず「自分という存在をかけて表現する人」はかっこいい。 生きることは表現することだ。自分の中のありとあらゆるものを燃やし、世界に存在を刻むことだ。 表現とは時間を、体力を、知恵を、感情…

人生はモザイクアート

人生にはどうしても暗い時期がある。 何をしても気持ちがついていかない。 黒くてドロドロした感情が心の底にたまっていく。 あれだけ時間があって、何でもできたのに、何にもしなかった。 こんな状態、生きていると言えるのか。 自分が嫌いで嫌いでどうしよ…

『マチネの終わりに』平野啓一郎

『マチネの終わりに』平野啓一郎を読みました。 世界的に天才クラシックギタリストと国際ジャーナリストの短く長い恋を描いた大人の恋愛物語。40代という”人生の暗い森”に迷い込んだ二人の恋を軸に、生と死、親と子、戦争と日常などのテーマについても触れて…

若さを決めるのは年齢ではなく

全九州高等学校総合文化祭に行ってきました。 九州各県から書道、写真、美術・工芸の3部門に240点の作品が一堂に会し、迫力のあるものでした。 家族や近所など身近なものをモチーフにしたりクスっとする構成だったり、メッセージ性が全面に表れていたり…