本読むうさぎ

生きるために、考える

人生はモザイクアート

人生にはどうしても暗い時期がある。

何をしても気持ちがついていかない。

黒くてドロドロした感情が心の底にたまっていく。

あれだけ時間があって、何でもできたのに、何にもしなかった。

こんな状態、生きていると言えるのか。

 

自分が嫌いで嫌いでどうしようもない時期がある。

そういうときは今はモザイクアートの陰の部分だと思うようにしている。

一日一枚、タイルを敷き詰める。

明るい色もあれば、くすんだり、滲んだ色もある。もちろん中には重く暗い色も。

「今日は〇〇だったな」と思いながら、一日一枚、タイルを敷き詰めるのが人生。

 

敷き詰めている間は、どんな模様になっているのか誰もわからない。

後で振り返ってわかるもの。

いつでもポケットに入れておきたいようなタイルを詰める日もあれば、腫れ物のようなタイルを詰める日もある。

そうやって一日一日違う色を詰めることで、人生はできているのではないか。

 

明るい色だけの絵だと安っぽく感じるのは自分だけだろうか。

人生は陰があるからこそ深みが増す。

そう思うようにしている。

暗くドロドロした今日も、いつか、完成した絵でいい味を出しているかもしれない。

こんな日があってよかったと思えるときは来る。

そう思うようにしている。

 

葛飾応為『吉原格子先之図』