本読むうさぎ

生きるために、考える

心に詩集を持って

心に詩集を持っていたい。

寂しいとき、不安なとき、勇気が欲しいときに触れられるように、心に言葉を刻んでおきたい。

どんな言葉を蓄えるかでものの見方や考え方が決まる。生き方が決まると言ってもいいだろう。

 

長田弘は携帯電話などの科学技術の発達によって、言葉の持つ「ニュアンスや表情」がかえって貧しくなったと指摘している。

”笑うは爆笑で、破顔一笑も呵々大笑もない。わかったは了解で、合点も承知もない。”

 

心の揺れ動きを表す言葉として「ヤバい」や「エモい」をいたるところで見かけるのも、「ニュアンスや表情」が貧しくなっているのが一因ではないかと思うときがある。

 

人間は持っている言葉でしか世界を表現することができない。

「ヤバい」や「エモい」を使うのがよくないということではない。

「ヤバい」や「エモい」でしか世界を見たり、思いを表すことができないのがよくないのだ。

 

言葉はトランプの手札のようなものだ。多ければ多いほど様々な手を作れる。その場、その時にふさわしい役を作ることができる。少なければ限られた手札から作らなければならない。

 

詩ほど言葉を蓄えるのにふさわしいものはない。

 

うさぎの心の詩集の初めにはいくつかの詩が収められている。

折々に触れ、うさぎが今どこに立っているのかを思い出させてくれる大切な言葉たちだ。

 

・『山のあなた』カール・ブッセ/上田敏

・『春と修羅宮沢賢治

・『胸の泉に』塔和子

・『積もった雪』金子みすゞ

 

心に詩集を持っていたい。

友だちのように、先生のように、家族のように、支え続けてくれる。そんな言葉を持っていたい。