本読むうさぎ

生きるために、考える

うさぎの本棚 中高生に読んでほしい本

本の良いところは、常に新しいものを追わなくてもいいこと。

トレンドの移り変わりが激しいファッションとは違い、本は新しくてもよし、古くてもよしで流行に乗れなかったからとから間に合わないということがありません。

 

今回は中高生の時期に読んでほしい本をご紹介していきます。

 

『草の花』福永武彦

 

研ぎ澄まされた理知ゆえに、青春の途上でめぐりあった藤木忍との純粋な愛に破れ、藤木の妹千枝子との恋にも挫折した汐見茂思。彼は、そのはかなく崩れ易い青春の墓標を、二冊のノートに記したまま、純白の雪が地上をおおった冬の日に、自殺行為にも似た手術を受けて、帰らぬ人となった。
まだ熟れきらぬ孤独な魂の愛と死を、透明な時間の中に昇華させた、青春の鎮魂歌である。(Amazonより)

 

愛の広さ、苦しさがぎゅっと詰まった一冊。誰かとつながりたいという思いと、それを上手く表現できない身体のもどかしさが描かれています。

大学生の頃に読んだのですが、中高生の頃に出会っていたかった本です。

愛してしまうことで苦しむことはわかっているのに、どうしても愛してしまう苦しみに共感しました。

 

銀の匙中勘助

 

なかなか開かなかった茶箪笥の抽匣(ひきだし)からみつけた銀の匙.伯母さんの無限の愛情に包まれて過ごした日々。少年時代の思い出を中勘助(1885-1965)が自伝風に綴ったこの作品には、子ども自身の感情世界が、子どもが感じ体験したままに素直に描き出されている。漱石が未曾有の秀作として絶賛した名作。(Amazonより)

 

時代背景は現代と大きく違っていますが、人とのつながりの暖かさ、親しい人との別れのつらさはいつの時代も変わらないものだと思います。

現代と似ているところや違うところを見つけながら読むのもおもしろいです。

 

 

 

『こころ』夏目漱石

 

遺書には、先生の過去が綴られていた。のちに妻とする下宿先のお嬢さんをめぐる、親友Kとの秘密だった。死に至る過程と、エゴイズム、世代意識を扱った、後期三部作の終曲にして漱石文学の絶頂をなす作品。(Amazonより)

 

初めて読んだのは中学生の頃でした。「夏目漱石読んでるおれかっこいい~」と思って読んでみたものの、重い、暗い、難しいですぐに挫折してしまいました。

高校生になってもう一度読んでみようと手に取ったのですが、話の半分もわからず、もやもやが残りました。

大学生でまた読み返してみると、「私」と「先生」に通じるものがあると気づき、おもしろさがこみ上げました。

乾パンみたいに硬くて噛み応えのある一冊。「わからないけど読む」という経験をしておくのも自分に深みを作ると思います。

 

 

 

草野心平詩集』草野心平

 

個という存在の確かさや愛おしさを、おおらかな息づかいでうたいつづけた草野心平。本書では、蛙の詩人としても知られる著者の代表作「ごびらっふの独白」をはじめ、“易しくて、優しい”言葉で綴られた一〇六篇を精選。(Amazonより)

 

最後は詩集を。国語の教科書に載っていたのかな?名前はどこかで聞いたことがあるくらいでしたが、『青い鳥』(重松清)の登場人物が草野心平の話をしていて興味が湧きました。

虐げられた存在としてカエルを題材とした詩を多く遺した作者の106篇を収めています。文庫本サイズですのでふとした時に読めます。

 

 

本を読むことで自分の中に「深み」を作ることができます。

一生の糧となる本と出合う参考にしてみてください。