本読むうさぎ

生きるために、考える

「お前もこれを読め」

兄が帰省の飛行機を待つ間の時間つぶしにと文庫本を買ったのが始まりだった。

 

兄から文庫本を借りた父が、今度はうさぎに「お前もこれを読め」と渡してきた。本の又貸しだ。

 

読み終えたので返すついでにうさぎの本棚からいくつか見繕い、父に「お前もこれを読め」と渡してやった。

 

先日実家に寄ってみると、リビングの目のつきやすいところに貸した本が置かれていた。今は母が読んでいるらしい。

 

帰り際に父が「お前もこれを読め」と歴史小説を渡してきた。普段歴史ものは読まないので微妙な反応をしたら、今は亡き祖父が読んでいたものだと説明された。

祖父が本を読んでいるところはほとんど見たことがなかったので、どんな本を読んでいたのか気になったので借りることにした。

 

そんなわけでうさぎの手元には藤沢周平の「用心棒日月抄」シリーズがある。

 

第四作まであるのだが第一作がなかった……

 

本を通じた家族のつながりにむずがゆいような、どこか心地よいような不思議な感じがする。

本が身近にある環境だからこそこのようなつながり方ができたのだろう、と考えると、環境が生き方や価値観に与える影響は計り知れない。

 

本をきっかけにつながるのも素敵ではないだろうか。

気になる人に「お前もこれを読め」と押しつけてみるのもいいかもしれない。

責任は取れんけど。