本読むうさぎ

生きるために、考える

声に出して読んでみよう

歌詞を何度も口ずさんでいるうちにいつの間にか覚えていた経験は誰もがあるかと思います。「覚えるときに声に出すとよい」とはよく聞きますが、思い返せばうさぎも「声に出す」ことで読みを深めてきました。

 

覚えている本との出会いは枕元での読み聞かせでした。物語に耳を傾けながらも心はベッドを離れ、あるときは怪獣たちと踊り、またあるときは橋の上で化け物と戦ったりしました。文字は読めなくても、声から想像の世界を広げました。

自分で読めるようになると、読み聞かせを真似して音読しました。誰から言われたわけでもなく、読み聞かせの延長線上で自分で読むようになったのかもしれません。ベッドに寝転がって好きな一節や難しい箇所をぼそぼそ読んでいました。

マンガを読むようになると、登場人物ごとに声色を変えることを覚えました。女性なら高めに、老人なら低くゆっくりというように。マンガだと絵がついているので表情や状態がわかりやすいのがいいですね。小学校の中学年の頃には小説のセリフでも声色を変えることができました。声色を変えると「この人はもっとこういう風に話すな」とか「この場面ではこんな気持ちだろうからこう話すな」といったように変化を加えることができます。こうして前後の文脈をつなげる力が身についていきました。

中学生では格好つけて『人間失格』に手を出しました。わからないところだらけでちっとも面白くなかったですが、何度も音読して意味を少しずつ嚙み砕きました。結局途中で挫折してしまいましたが、文章のリズムや、使われている言葉の傾向などが作家によって違うことに気づいたのもこの頃です。

 

今でもじっくり味わいたいところや意味がわかりにくいところは声に出して読むようにしています。

「声に出す」ことが読む下地になっているとともに、読みを深めていく足がかりにもなっています。

自分の声で読んでみて、読みをさらに深めてみませんか。

 

小学生の頃ハマった本

a.r10.to

小学校の図書室に入り浸っては読みました。秋田文庫版の表紙の質感やリアルなタッチが好きでした。

 

中学生の頃ハマった本

a.r10.to

有名漫画家が表紙を描いたシリーズが流行りました。『人間失格』は『デスノート』や『BAKUMAN』で有名な小畑健氏が描いています。