本読むうさぎ

生きるために、考える

読書の生まれる場所

 

日常的に読書する人とそうでない人はなぜ生まれるのだろうとときどき考えます。

国学図書館協議会が毎年行っている学校読書調査の2022年の結果では、1ヶ月間に読んだ本の数が0冊の児童生徒の割合が、小学生で6.4%、中学生で18.6%、高校生で51.1%となっています。

因果関係はわかりませんが、学年が上がるにつれてまったく本を読まない児童生徒の数は増加する傾向が見られます。

社会人になってはどうでしょうか。仕事関連の本を月に1冊読むとしても1年で12冊も読むことってめったにないのではないでしょうか。趣味の読書となると、なおさらです。

読書をする人とそうでない人はなぜ生まれるのか、その違いは何でしょう。

 

ある調査では、家庭の経済状況や保護者の読書活動が子どもに影響するという結果が出ています。文化的資本である本を買うことができるというのは、それだけ家庭の経済状況が安定していると考えられるわけです。

また、本をたくさん持っているからといって子どもが本を読むかというとそういうわけではない。保護者自身が読書しているかも重要です。

自分はピーマンを食べないのに「ピーマンは体にいいからたくさん食べろ」と言われても説得力がないように、自分は本を読まないのに「本は脳にいいからたくさん読め」と言われても読もうとならないのは当然のことだと思います。

・小さい頃に読み聞かせをした

・子どもと読んだ本の感想を話し合ったりしている

・保護者が新聞の政治や社会問題に関する記事を読む

 

学力が高い子どもの家庭では以上のような読書活動を行っている割合が高いそうです。

読書がコミュニケーションの1つとして根付いている家庭だと本を触れる機会が自然と多くなるのもうなずけます。

うさぎが覚えている読書の記憶も、寝る前に母が読み聞かせしてくれたが最も古いです。本棚に世界文学全集の背表紙が並んでいるのを毎日眺めていたのも関係あるのかもしれません。

 

身近に本があるのが当たり前の生活。

 

電子書籍やオーディオブックなど、本との関わり方が多様となっている現代。本を巡る状況は変わっていますが、本と親しもうとする姿勢自体は、いつの時代も変わらないものだと思います。

読書の生まれる場所の1つとして家庭の在り方を考えてみるのもいいかもしれません。