本読むうさぎ

生きるために、考える

写真や動画に残せないものを大切に

陽の光が海面に反射してきらきらと光る。

真珠の泡のように次々と生まれ、弾ける。

 

時間が経つのも、自分の状況も頭から消え去っている。眺めている自分がいるという認識まで消えたときが、「自然と一体」だと言えるのではないか。

 

この感動を、心の揺らめきを残そうと写真を撮るが、感動の1%も表せない。

切り取った瞬間に心の揺らめきはぴたりと止まっていまう。

 

写真の性能とか撮り方の問題ではなく、感動には、その時、その場でしか感じられない側面がある。

 

空を見るのが好きで、澄み渡った空とか、水平線に沈んでいく夕日とかを見るとつい写真を撮ることがある。

しかし家に帰って写真を見てみると何か違うように感じる。自分が見た空はこうじゃなかった。

 

その時、その場で感じることをもっと大切にしたい。

次の日には忘れてしまうとしても、感動したことはどこかに残っているはずだ。

忘れてしまうからといって、それが無価値だったことにはならない。

感動は今日の自分を作っている。そう信じている。

写真や動画に残せないものを大切に。今日を大切に。

そんなことを考えた今日だった。