本読むうさぎ

生きるために、考える

5番目、6番目のありのまま

記憶に残っている美術の授業がある。

その時間は粘土で表現するという内容だった。

先生が見本として自分の作品をいくつか持って来ており、それらを見せながら次の話をした。

 

「自分の中で一番のモノは恥ずかしくて人に見せられないから、いつも5番目とか6番目のモノを見せている。自分が本当に表現したいモノは、人に見せたくない。」

 

当時は、さすが芸術家は感性が違うなと思っていたが、ブログを書くようになってから先生の言っている意味が少しわかったように思う。

 

自分が本当に書きたいことをつらつら書いたら、6割が自分への不満、残りの4割が世の中への文句になってしまう。暗くてじめじめしてナメクジがうようよ這いまわるブログになってしまう。

 

自分が書きたいモノと、人に見せてもいいモノの塩梅を探した結果、5番目や6番目の文章が出来上がる。

 

それだけ自分を表現をするというのは難しい。

楽家も芸術家も、自分が表現したいモノと、人に見せてもいいモノの間で葛藤しているのだろう。

葛藤の中で悩み、もがく姿に共感や感動を覚えるのだろう。