今日もおつかれさま。
今日は石垣りんの『空をかついで』を贈ります。
肩は
首の付け根から
なだらかにのびて。
肩は
地平線のように
つながって。
人はみんなで
空をかついで
きのうからきょうへと。
子どもよ
おまえのその肩に
おとなたちは
きょうからあしたを移しかえる。
この重たさを
この輝きと暗やみを
あまりにちいさいその肩に。
少しずつ
少しずつ。
「子ども」と「おとな」、どちらの目線から読みましたか。
「おとな」と呼ばれる年齢になりました。でも親から見ればまだまだ手のかかる「子ども」です。
お酒を飲んだり、車を運転したりできるようになりました。でも心は走り回ったあの頃からそれほど変わりません。
私は「おとな」でしょうか、それとも「子ども」でしょうか。
「おとな」の私はちいさい肩に「あした」を渡します。また一方で、私も誰かの「あした」を受け取ります。
私は「おとな」であると同時に「子ども」でもあります。
また明日がきます。私は「あした」を渡すでしょう。そして、誰かから「あした」を受け取るでしょう。
何も特別なことはない、ありふれた日常の風景。みんなで少しずつ空をかついで、少しずつ、少しずつ「あした」を受け渡すことでしょう。