本読むうさぎ

生きるために、考える

濫読がちょうどいい

カバンが重いなと思って中身を取り出すと四冊も出てきた。

あれも読もうこれも読もうと欲張って突っ込んだせいだろう。

あれもこれも欲しがるのは節度がなく映るのに、あれもこれも読みたがるのは旺盛に映る。考えてみればおかしな話だ。

かの小林秀雄も「読書欲に憑かれた青年」には濫読が「最上の読書法」だと言っている。

一冊に集中するのが深める読みだとすると、あれもこれもと読むのは広める読みだ。

広める読み。自分のものの見方、考え方が偏っていないかを確かめる読み方。自分の足跡を振り返り、現在地を確かめる読み方。

並んだ表紙の関連のなさににやける。あれもこれもと欲張れ、自分を広めろ。