本読むうさぎ

生きるために、考える

一人合点とならないよう

 

歎異抄』ではその道の先輩から直接習うことを「有縁の知識」と呼び、とても大切なものと考えています。これに対して、自分の一人合点になってしまうことを「自見の覚悟」と呼び、これに陥らないように気をつけなければならないとしています。

YouTube先生などで気軽に勉強ができる便利な世の中。自ら学ぶ姿勢が大事だと言われる世の中。だからこそ、「自分こそが正しい」と狭い視野になっていないか、一歩引いた立場から眺めることが大切です。

自問自答だけでは視野が狭くなってしまいます。まっすぐ歩いているつもりでも、いつの間にか大きく逸れているもしれない。何より問題なのは、道を逸れていることにいつまでも気がつかないこと。自らが信じる道を進むには、他者の言葉に耳を傾けることが必要です。自分の考えと他者の考えを擦り合わせ、まっすぐ歩いているかを確かめる。一人でできること、一人の価値が大切にされる現代だからこそ、一人合点にならないよう、相手の話をよく聞くようにしたいものです。