本読むうさぎ

生きるために、考える

立ち止まり、息を吸う

相手を非難したくなるときがある。

相手の間違いをあげつらい、声高に罵りたくなるときがある。

相手を言い負かしたそのときは気持ちがいいが、はたして、それでなにになるだろうか。

祝婚歌』(吉野弘)にこんなフレーズがある。

 

互いに非難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで

疑わしくなるほうがいい

 

はたして自分は相手を非難できるほど何かに秀でていたり、努力したりしているのか。いや、秀でていたり努力したりしている人ほど、非難しないのではないか。

自分を客観的に見ることを忘れたとき、人は他者を攻撃する。

自分という立場からしか考えられないとき、人は他者の立場を簡単に脅かす。

 

だからこそ、相手の立場に立つことが大切だ。

「自分だったらこう考えるが、あの人はどう考えているのだろう」

「自分にとってはそれほど重大ではないが、あの人にとっては重大なのだろう」

 

相手を非難したくなるときは、相手の立場に立てていないのかもしれない。

一歩立ち止まり、深く息を吸い、大きく吐いてみる。

それだけで見える世界が変わるかもしれない。

 

a.r10.to