本読むうさぎ

生きるために、考える

言葉に「気」をつける

気を抜くとすぐに愚痴や文句がこぼれてしまうから細心の注意を払っている。

いやあ、それにしても暑すぎる。みんなクーラーを使いすぎだろ。

おっと、言っている傍から愚痴が……気をつけないと。

 

愚痴や文句を言う人の周りには愚痴や文句が集まるらしい。

ファミレスでおいしくポテトをつまんでいたときのこと。隣のテーブルに座った男性二人。席に着いた瞬間からやれ店員の態度が悪いの、やれ駐車場の使い勝手が悪いのと文句を言い合っていた。

嫌だなあと思いながら聞いていたが、料理が運ばれて食べ始めてからも文句は止まらない。やれ料理が出てくるのが遅いの、やれ料理の置き方が雑だの、あれや、これや……

ポテトを食べ終えて席を立つときまで文句のマシンガンは鳴り響いていた。

 

文句ばかり出るのもすごいと思う。細かいところまでよく見て、気に入らないところをあげつらうというのも相当な技術が必要だろう。

愚痴や文句が多い人は学校や職場にもたくさんいるだろう。そういう人生は何と云うか、窮屈だろうな。これも文句になるのだろうか。

 

品性は使う言葉に表れるそうだ。言葉は世界を切り取る窓だ。愚痴や文句ばかり言っていると、見える世界も歪んでくる。そうするとさらに愚痴や文句が増えるという悪循環に陥る。

言霊という言葉もあるように、言葉には不思議な気配というか、気力がある。前向きなことばかり言う人には自然と前向きな人が集まるし、否定的な人には否定的な人が集まるものだ。

普段何気なく使うものだからこそ、ふとしたときにその人の本質が出るのだろう。

前向きな気を込めるか、後ろ向きな気を込めるか、文字通り気をつけたいものだ。