本読むうさぎ

生きるために、考える

ブックカバーに見る人生

「ブックカバーをかけるのは日本人だけ」という記事を目にした。

読んでいるものですら隠したがるのは日本人くらいなもので、海外ではブックカバーをかけている人はほとんどいないというやや否定的な内容に首肯しかねる部分が多かったが、目の付け所はなかなかおもしろい。

ブックカバーとはよくよく考えれば不思議なものだ。書店で必ず聞かれるから漫然とかけることがあるが、なんのためにかけるのだろう。本が傷つかないようにするため?記事にあるように、読んでいる本を知られたくないため?読書のモチベーションを高めるため?どれだけの人がはっきりとした目的でブックカバーをかけているだろう。

記事を読んでから、ブックカバーをかけているかに目がいくようになった。あの人は書店でかけてもらった紙製のブックカバーだな。あの人は魚があしらわれた布製のブックカバーだ。あの人は何もかけないで読んでいるな。

ブックカバーで国民性を語るのは飛躍しすぎだが、その人らしさが見えるようでおもしろい。本の数だけ人生がある。ブックカバーの数だけ人生がある。