本読むうさぎ

生きるために、考える

脳には手書きでしょ

筆記具を持って書く、ということがめっきり少なくなりました。

端末だと予測変換で欲しい言葉がぽんぽん表示されるのでつっかかることなく入力することができます。

手書きが少なったことで、「つっかかる感覚」がなくなったように思うのです。

 

手で書いていると字を思い出せなかったり間違えたりすることがあります。

出てきそうでなかなか言葉が出てこないでやきもちすることがあります。

「あれ、何ていうんだっけ」で頭を悩ませるやつです。

 

あの時間ってすごく大切なものだと思うんです。

必死に思い出そうとしている時は、ドラえもんがああでもないこうでもないと言いながらとっかえひっかえ道具を取り出すように脳をフル回転させているわけです。

ああでもないこうでもないと言いながら言葉や思考を整理することで脳は活発になり、処理速度がぐんと上がります。

つっかかる度に整理したり、新しく学んだりして、より速く、より強固な脳になります。

「つっかかる感覚」を覚えた時、それは脳が成長しようと頑張っている証なのです。

 

ところがスマホやパソコンだと滑らかすぎる。

ところてんのようにつるつるでつっかかるところがないと、脳は頑張る必要がない。

頑張る必要がなくなると、頑張り方がわからなくなる。

頑張り方がわからないと、頑張らないとならないときに頑張れなくなる。

頑張れなくなると、さらに楽に処理できる情報しか手に入れなくなる。

勉強がわからないのと同じ悪循環です。

 

どこかで負荷をかけないと、どんなにすばらしいポテンシャルを持っていたとしてもそれを引き出す土台ができません。

 

せめても自分の名前を書く時は、意識して書くようにしています。

「一画目の入りがいいね」とか「左払いが途中で切れてしまった」とか、些細な「つっかかる感覚」を大切にすることが、現代のわたしたちに必要なのかもしれません。

 

スマホが脳に与える影響が詳しく書かれていておもしろくもおそろしいです。

a.r10.to