4月から新年度。新しい学校、学年に期待と不安を感じている人は多いことと思います。
楽しいだけが青春じゃない。でも、つまらないだけが青春でもない。
今回は新年度に読みたい小説として、中学~大学を舞台とした作品をご紹介します。
空をつかむまで 関口尚
膝の故障で得意のサッカーを諦めた優太は、廃校が決まった田舎の中学に通う3年生。無理やり入部させられた水泳部には、姫と呼ばれる県の記録保持者と、泳げないデブのモー次郎しかいない。3人は、なくなってしまう美里中学のため、優勝すべくトライアスロン大会に挑む。(集英社より)
思い通りにいかないのが人生。うまくいかない中を必死でもがいているうちに、どこかにたどり着くかもしれません。読んでいると、背中をそっと押されるような、温かい勇気をもらえます。悩み、傷つきながらも前を向こうとする少年たちの物語です。
氷菓 米澤穂信
何事にも積極的に関わらないことをモットーとする奉太郎は、高校入学と同時に、姉の命令で古典部に入部させられる。
さらに、そこで出会った好奇心少女・えるの一言で、彼女の伯父が関わったという三十三年前の事件の真相を推理することになり――。(KADOKAWAより)
「やらなくてもいいことならやらない。やらなければいけないことなら手短に。」を信条とする高校生が文化祭の別名に秘められた、三十三年前の事件の真相を探っていく青春ミステリーシリーズ一作目。青春とは薔薇色なのか、明るく楽しいだけが学生生活なのか、思わず考えてしまいます。
砂漠 伊坂幸太郎
入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決……。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれを成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。(新潮社より)
どこか不思議な雰囲気を漂わせる大学生たちのありふれた日常。話の展開もですが、登場人物一人ひとりも個性的で魅力的です。物語の後、彼らはどんな生活を送るのか、ついつい想像してしまいます。
以上、新年度に読みたい小説3選でした。
本との新しい出会いの参考になれば嬉しいです。