冬至を過ぎ、夕日に伸びる影が長くなっているように感じます。
公園を散歩していて何気なく振り返ったら、空と、道と、芝だけだったので撮りました。
シンプルなものは美しい。
自分をごてごて飾りつけたりせず、もっとシンプルに生きていいのではないでしょうか。
合わない靴を履かされ、生きろ生きろと急かされるような日々。
ぼろぼろの足で歩き続け、はたしてどこまで行けば終わるのか。
生き急ぐことはつまり死に急ぐこと。
疲れ果て、擦り切れて、なぜ生きているのかの答えを見いだすこともできず生が終わる。
そんな漠然とした不安に震えるときがあります。
最近、吉野弘さんの『祝婚歌』という詩の一節をよく思い出します。
もともとは姪の結婚式で贈った詩ですが、結婚以外にも言えることではないかと思っています。
”健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい”
「生きている」ことの「なつかしさ」ってなんでしょうね。言葉で説明できません。でも、感覚的に「こんな感じだよな~」と思い描くことはできます。
最後に胸が熱くなったのっていつだろう。身体の内から熱い何かがこみ上げる感覚を味わったのっていつだろう。
今年もあと少しで終わりです。年越しの喧騒の中でふと立ち止まり、生きていることのなつかしさに浸る。そんな時間をつくってあげてみる。