2023-07-23 一人で呑む夜 男もすなる一人居酒屋といふものを、うさぎもしてみむとして、するなり。 一人だと黙々と飲んで食べるだけなので、自然と周りに目が向く。 正面には仕事帰りだろうか、少し疲れた様子の男性二人。 離れた席では男性グループがガハハと騒いでいる。 フライドポテトをつまみながら自分のことを考えたり考えなかったり。 どこまでも考えが深まっていると思いきや、グラスを傾けた瞬間に何を考えていたかも忘れてしまった。 心地よい倦怠感に沈みながら今、この瞬間を味わう。 一人で呑む夜も悪くない。 ランキング参加中短文エッセイ