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生きるために、考える

教員を守る取り組みを期待します

文部科学省は28日に、2022年度の教員勤務実態調査結果(速報値)*1を公表しました。2022年度の8、10、11月の勤務状況を調べたところ、公立の中学校教諭の77・1%、小学校教諭の64・5%が残業時間の上限「月45時間」以上の長時間労働をしていたことがわかりました。

 

news.yahoo.co.jp

 

平日の一日当たりの在校時間はほとんどの校種で10時間を超えており、中でも小学校、中学校の副校長や教頭は11時間を超えていました。

これを受け、文科相大臣は記者会見で「働き方改革に一定の進捗はみられるが、依然として、長時間労働の教員は多い」とコメントしました。

本記事のコメントには現職の教員やその関係者と名のる人たちの悲惨な現場の状況が綴られていました。これらが事実だとするなら、学校を取り巻く問題はまだまだ根が深そうです。

また、2021年度の「公⽴学校教職員の⼈事⾏政状況調査について(概要)」*2によると、精神疾患による病気休職者数は教育職員数の0.64%に当たる5,897人で、2020年度の5,203人から694人増加し、過去最多を記録しました。

 

学校に求められるものは増え続けているのに、教員の数は足りていません。今の働き方改革の進捗具合では現場の疲弊に追いつきません。残業時間が上限内に収まる頃には日本中から教員の姿が消えているかもしれません。

 

 

教員に限らず、様々な職業での「ブラックさ」が取り沙汰されるようになりました。問題が多くの人に知れ渡るようになったという意味ではよいことかもしれませんが、「ブラックさ」を改善することにこそ価値があります。調査で終わらず、教員を守ることが、引いては子どもを、未来を守ることに繋がります。これからどのような施策を行うのか、引き続き見つめたいものです。

 

*1:教員勤務実態調査(令和4年度)集計【速報値】https://www.mext.go.jp/content/20230428-mxt_zaimu01-000029160_1.pdf

*2:令和3年度 公⽴学校教職員の⼈事⾏政状況調査について(概要)https://www.mext.go.jp/content/20230116-mxt-syoto01-000026693_01.pdf