本読むうさぎ

生きるために、考える

彷徨う子鹿

 

森に彷徨う子鹿

どこから来たのか

どこから出られるかもわからず

遠く轟く雷鳴に怯え

茂みに潜む罠を恐れ

かわいそうに震えている

時折、梢の先に覗く空の青さ星の輝きに

心慰めては

さらに奥へと踏み入る

身を打つ雨に耐え

一人の心細さを凌ぎ

そうしてまで森を歩き

どこへ向かうのか

暗く湿った茂みを今も彷徨っている