歳を重ねると人のことも世の中のこともわかった気になって、表面だけを見てこんなものだと見限り、見下す。
あれはダメだこれはダメだと悪態ばかりついてその日を潰す。そうして小さい砂山のてっぺんで大将みたいに威張っている。
子どもの頃に軽蔑したような大人になっている。
ある時、茨木のり子の詩を読んでどきりとした。
初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね
(汲む ーY・Yにー)
初々しい心を持とう。
今日を真っ直ぐに見つめる目を持とう。
人や世の中の声を聞く耳を持とう。
昨日の憂鬱は昨日に置いていこう。
砂山にあぐらをかくのはやめよう。
今日は昨日の続きではなく、輝きに満ちたものだと心に留めて目覚めよう。