本読むうさぎ

生きるために、考える

台風の目の小話

 九州に台風14号が接近しており、風と雨が強まってきています。

 ごうごうと吹き荒れる風に揺れる木々や地面を打ちつける雨を見ると、台風の目に遭遇した日のことを思い出します。

 

 小学生のとき、台風で休校になった日がありました。私は朝から1人ゲームを楽しんでいました。

 鉛のように暗く重い雲から雨の弾丸が屋根を貫かんと降り注ぐ。テレビの砂嵐のような風と雨の音が鳴り続けていました。

 どれくらい経った頃でしょうか。砂嵐が聞こえなくなったのでふと顔を外に向けると、雨が止んでいる。枝も静止している。一瞬台風が過ぎたのかと思いました。それにしては空は相変わらず不気味だ。

 あ、台風の目の中にいるんだ。

 

 雨と風が止まったほんの一時。音も動きも絶えた数分間の光景は今でも鮮明に思い出せます。

 

 

 広い範囲が暴風域に入り、警戒しなければならない今回の台風ですが、雨も風もない箇所がある。そこからはどんな景色が見えるのでしょう。