外が白くて暑いからコーヒーを飲むことにした。
ケトルに水を入れスイッチを押す。
ドリップコーヒーの封を切ると豆の乾いた柔らかい匂いが鼻をくすぐった。
カップの縁にかけ準備完了。
パンを取り出しているとお湯が沸く。
豆全体が湿る程度の量を注ぎ、しばらく蒸らす。眠っていた豆が起きだしたらお湯を加えていく。
墨汁のように黒々としたコーヒーを右手、パンを左手にソファの定位置に。
コーヒーをちびちびと舐めてはパンをかじる。
なんてことのない朝の一コマ。名もなき数分間。
そんなありふれたもので、私たちの生活はできている。