本読むうさぎ

生きるために、考える

自分の足で踏みしめる

「〇〇世代」という言葉が吐き気を催すほど嫌いだ。

団塊世代、昭和世代、ゆとり世代、Z世代……マスメディアがある年齢層を表すときに使う言葉だ。一応うさぎはZ世代という区分になるらしいが、この言葉が嫌いだ。

 

一時期、「昭和世代vsZ世代」の対立構造でそれぞれの時代の「当たり前」を比べる番組が腐るほど流れた。見た限りではどの番組でもそれぞれの「当たり前」に驚き、嘲笑い、自分の世代の「当たり前」をしたり顔で並べ立てていた。見た後は砂を噛んだような不快さだけが残った。

 

年齢層やその時代の特徴、社会的背景などを「〇〇世代」の一言で表すことができるのは確かにパフォーマンスは高い。だが一方で、「それは当てはまらないよ」というようなことまでひとくくりにされることがある。Z世代の中にもカラマーゾフの兄弟を熱心に読む人はいるし、ケータイやパソコンの扱いが苦手な人だっている。昭和世代の中にも坊ちゃんを読んだことがない人、SNSを使いこなしてお金を稼ぐ人は少なくない数いる。

 

文化は前の時代の下積みに建つものだ。昭和世代とかけ離れたところにZ世代がポッと生まれたわけじゃない。それぞれの世代の違いを比べるのは結構だが、世代による優劣はないし、まして嘲り合うものでもない。人はいつだってその時代に適した生き方を模索している。「世代」というのは、よりよく生きようとした足跡だ。

私たちがすべきことは、他の世代を馬鹿にすることでも、今の世代に踊らされることでもなく、自分の足で今日を踏みしめることではないだろうか。

 

a.r10.to