米津玄師の4thアルバム『BOOTLEG』のトリを飾る「灰色と青」をこの数日繰り返し聞いている。
幼い頃を思い出し、思い出に胸を馳せる大人を描いた楽曲。
次のサビの一節が心に残っている。
どれだけ背丈が変わろうとも
変わらない何かがありますように
くだらない面影に励まされ
今も歌う 今も歌う 今も歌う
歳を重ねるにつれ、昔を思い出すことが増えた。
久しぶりに会った友達と「あの頃はあんなことやこんなことがあったね」と昔話に花を咲かせないことはない。
奥歯を嚙みしめて飲み込んだ悔しさも、誰にも打ち明けられず、一人静かに耐えた苦しさも「あんなこともあった」と穏やかに見つめることができるようになった。
過去を「くだらない面影」と見つめられるようになるのが大人になるということなのだろうか。
今直面している問題や抱えている悩みも、いつかは「くだらない面影」として懐かしく思う日が来るのだろうか。
「くだらない面影」に励まされながら、今日を、どんなに惨めで無様でも、今日を、生きている。