【秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる】藤原敏行
秋が来たとはっきりとは目に見えないが、風の音に秋の気配を感じて驚いてしまう。
10月に入り、朝夜がめっきり冷えたかと思えば30度を超える真夏日があったりと、落ち着かない日が続いています。
金木犀の香りがしたという投稿を見かけるようになり、少しずつですが、秋が深まっているように思います。
ところで、秋が「深まる」ってすてきな表現じゃないですか?
今までそこにあったものががらっと秋に様変わりするのではなく、そのものがもつ秋の側面というか、秋的な部分が出てくる。それもあからさまにではなくいつの間にか、気づかぬうちに秋の色を出している。忍び寄るような季節の移ろいを「深まる」と言い表す。日本語の感性のなんと繊細なことか!
日毎に深まる秋の真っ只中を生きています。
思わぬところでの秋との出会いに
驚くことでしょう。